治療原則③ 三焦(さんしょう)について
中医学では、身体を大きく三つの領域に分けて捉える「三焦(さんしょう)」という考え方があります。
ヒトの場合、鎖骨から骨盤までを三つの領域に分けて考えます。
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鎖骨から横隔膜まで → 上焦:心臓・肺など
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横隔膜からおへそまで → 中焦:消化器・肝臓など
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おへそから骨盤まで → 下焦:腎臓など
それぞれを独立したものとして見るのではなく、互いに関係するものとして身体全体を捉えていきます。
中焦と消化機能
中焦には、消化器や肝臓などが含まれます。
毎日の飲食物を受け入れる消化器は、身体の状態を考えるうえで重要な役割を持っています。
中医学では、消化機能の状態を全身との関係から捉える考え方があります。
消化器と「湿熱」の関係
消化器の状態を考える際、中医学では「湿熱(しつねつ)」という考え方があります。
湿とは
「湿」とは、わかりやすく表現すると「体内の湿気」のようなものです。
その背景には、
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食べ物
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季節
などが関係すると考えられています。
1. 食べ物について
小さい頃から、あるいは加齢に伴い消化機能が低下したヒトや動物は、中医学では「脾気虚(ひききょ)」という体質として捉えることがあります。
脾気虚では、
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食欲にムラがある
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不定期な嘔吐や下痢がある
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便がゆるい
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身体の線が細い
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太りにくい
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痩せている
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消化器の不調を繰り返す
などが見られることがあります。
中医学でいう「脾」は、消化機能と深く関係するものとして考えられています。
「湿熱」はどのように考えるのか
本来、食べ物は消化管を通過しながら消化・吸収されていきます。
中医学では、消化機能が低下した状態では、飲食物を適切に処理する働きが低下すると考えます。
これを身近なもので例えると、炊飯器の中でお粥を長時間保温しているような状態です。
お粥を長時間温かい状態に置いておくと、次第に状態が変化していきます。
中医学では、このようなイメージで体内に余分な「湿」が生じ、さらに「熱」が加わった状態を「湿熱」として捉えます。
また、「湿」の状態が続くことで「痰」という考え方につながることもあり、「湿」と「痰」が関係した状態を「痰湿(たんしつ)」と呼びます。
「湿」「湿熱」「痰湿」は、消化器だけでなく、身体のさまざまな状態と関連づけて考えられています。
そのため中医学では、一つの症状だけを見るのではなく、身体全体の状態を確認することが重要になります。
2. 季節について
中医学では、湿気の多い季節は消化機能に影響を及ぼしやすいと考えられています。
「長夏(ちょうか)」と呼ばれる時期も、湿との関係が深い季節として捉えられています。
実際の診療でも、湿度が高くなる季節には、食欲や便の状態など、消化器に関するご相談が増えることがあります。
特にワンちゃんでは、「夏になると食欲が落ちる」といったご相談を受けることもあります。
当院での考え方
中医学では、消化器を単独で捉えるのではなく、身体全体との関係を考えることが大切です。
当院でも、現在現れている症状だけでなく、体質や季節、これまでの経過、診察および検査結果などを踏まえ、全身の状態を総合的に評価しています。


