静岡動物漢方鍼灸センター|静岡県葵区西草深町|動物病院

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皮膚病の漢方治療

細菌やマラセチアによる皮膚炎・外耳炎の漢方生薬治療について

漢方生薬で治療するにあたり、これらの病気に対する問題は3つあり、その原因を改善することを目的としています。
💫実際の治療例をご覧ください。→皮膚疾患(3)

その3つとは、
1.細菌・マラセチアの繁殖→『湿熱症』
2.皮膚の赤み
3.皮膚の痒み

です。
これらについて考え、しっかりとした診断ルールに基づき診察治療をしていきます。


1.細菌・マラセチアの繁殖について
細菌もマラセチア(真菌・カビ)も『湿気』のあるところに繁殖するので、その湿気の環境を改善する漢方薬を用います。

  
湿気のあるところに細菌・カビが繁殖する一例を上げます。

自然環境では、
冬場、外気温0度、屋内は20度、

外の空気が乾燥し、室内にはそれよりも高い湿度。 

外気が寒く、乾燥していて、屋内が暖かく湿気がある。

外が寒く、中が温かく湿気が多い。

この状況が続くと、窓枠には黒いカビが付着します。
→室内にカビが繁殖する。
→外が寒く、中が温かく湿気があるのでカビが繁殖。


動物の体内では、
部屋の温度は20度、
動物の体はそれより暖かく38度前後、
体内に湿気がある。
→体の外が寒く、中が温かく湿気がある
→自然環境下での窓枠に黒いカビが付着するのと、同じ理屈で、体内に細菌やマラセチアが繁殖する。


漢方生薬治療は、体内の『湿気』を抑えるような漢方薬を使用することにより、そもそも細菌やカビの繁殖が起こらないような環境を作ります。 


当院での漢方薬治療を行っている患者様たちは皮膚病が治り、その後再発もなくなってきます。
2024年1月現在、皮膚病に対する抗生剤の使用は当院ではほとんどありません。

上記の中医学的な治療理論は、『湿熱症』というものに対して行われます。


2.皮膚の赤みについて
これは、血液の中に『火の毒』が入るため、『皮膚の赤み』が生じると考えます。
血液の中に火の毒が入った状況を『血熱症』といいます。

『炎症』の漢字は『炎』の『症状』と書きます。火の毒→火→炎 です。

皮膚の赤み血熱症により起こる→血熱症改善漢方で治療する。

これで皮膚の赤みは消失します。


3.皮膚の痒み
『痒み』の症状は、『木の気』というものが多いために起こります。
当院の漢方薬の治療は、
中国のとても古い医学書『黄帝内経』の中にある『陰陽五行』の考え方に基づいた伝統中医学です。

『陰陽五行』での『木』の性質は『肝』と関係があります。
『肝木』などと言われたりもします。

『痒み』の症状→『木の気』が多い→肝臓が弱い

したがって『木の気』を減らすような漢方薬で治療
する。

これで皮膚の痒みは消失します。


💫実際の治療例をご覧ください。→皮膚疾患(3)

✴️まとめ
⭐︎西洋治療は、
湿気のある環境に繁殖した細菌やマラセチアの活動を抑えることと、その後に生じた生体反応である炎症を抑える対症療法。

⭐︎漢方生薬治療は、
1.細菌やマラセチアが繁殖しないようにする環境(体質)改善と
2.皮膚の赤み(血熱症)、
3.皮膚の痒み(木の気)を消失させる原因治療が基本です。

の3つです。


これらの皮膚病は、
比較的若い年齢の患者様の単発発生は、対症療法で良いこともあります。

再発性皮膚炎や、中高齢以降で急に発生した場合、原因療法がとても有効です。

漢方生薬治療の別の良い点は、
皮膚病治療だけでなく、以下のようなことも治療をした飼い主様からよくお伺いいたします。

消化器機能改善(不定期な嘔吐がなくなった・下痢しなくなった・便の状態が良くなった。)
お散歩でよく歩くようになった。
元気・食欲が改善した。
毛艶が良くなった。
顔つきが良くなった。

漢方治療は、目的とする治療以外の部分も改善することができます。


💫実際の治療例をご覧ください。→皮膚疾患(3)
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