消化器疾患では、嘔吐、下痢、食欲不振など、さまざまな症状が見られます。
また、膵炎や蛋白喪失性腸症など、病気の種類やこれまでの経過によっても身体の状態は異なります。
漢方生薬による治療では、目に見えている症状だけでなく、病歴や検査結果、体質、全身の状態などを総合的に評価し、その時点での状態に合わせて治療を行います。
中医学から見た消化器
消化器の問題を考える場合、中医学では「湿熱」という考え方があります。
湿熱とは
「湿」とは、わかりやすく表現すると「体内の湿気」のようなものです。
その背景には、食べ物や季節など、さまざまな要因が関係すると考えられています。
1. 食べ物について
もともと消化機能が低いヒトや動物は、中医学では「脾気虚(ひききょ)」という体質として捉えることがあります。
脾気虚では、
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食欲にムラがある
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不定期な嘔吐や下痢がある
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便がゆるい
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身体の線が細い
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太りにくい
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痩せている
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消化器の不調を繰り返す
などが見られることがあります。
中医学でいう「脾」は、消化機能と深く関係するものとして考えられています。
「湿」はどのように考えるのか
本来、食べ物は消化管を通過しながら消化・吸収されていきます。
中医学では、消化機能が低下した状態では、飲食物を適切に処理する働きが低下すると考えます。
これを身近なもので例えると、炊飯器の中でお粥を長時間保温しているような状態です。
お粥を長時間温かい状態に置いておくと、次第に状態が変化していきます。
中医学では、このようなイメージで体内に余分な「湿」が生じ、さらに「熱」が加わった状態を「湿熱」として捉えます。
また、「湿」の状態が続くことで「痰」という考え方につながることもあり、「湿」と「痰」が関係した状態を「痰湿」と呼びます。
こうした「湿熱」「痰湿」は、消化器だけに限らず、身体のさまざまな状態と関連づけて考えられています。
そのため中医学では、一つの症状だけを見るのではなく、身体全体の状態を確認することが重要になります。
2. 季節について
中医学では、湿気の多い季節は消化機能に影響を及ぼしやすいと考えられています。
「長夏(ちょうか)」と呼ばれる時期も、湿との関係が深い季節として捉えられています。
実際の診療でも、湿度が高くなる季節には、食欲や便の状態など、消化器に関するご相談が増えることがあります。
特にワンちゃんでは、「夏になると食欲が落ちる」といったご相談を受けることもあります。
当院での考え方
消化器の状態は、身体全体の状態と深く関係していると中医学では考えます。
そのため当院では、消化器症状だけを見るのではなく、体質や季節、これまでの経過、診察および検査結果などを踏まえて全身の状態を評価します。
そのうえで、それぞれの状態に合わせた漢方生薬治療を行います。


